吉田麻希子-Makiko Yoshida-

エシカルジュエリーデザイナー / 循環するジュエリーcaractere (カラクテル)

写真提供:Makiko Yoshida
INDEX

歴史を受け継ぎ お二人を通して未来に届けるウェディングジュエリー

エシカルジュエリーデザイナーの吉田麻希子さんは、ひとつひとつに魂を注ぎ込むようにして フルオーダーからオリジナルデザインまで、完全メイドトゥーオーダー(受注制作)で個々のご要望に寄り添うジュエリーを生み出している。

ジュエリーの材料となるものは、人道的に作られた金属や、リサイクル金属、おばあちゃんから受け継いだり大切にしまいっぱなしにしていたジュエリーなど。そして麻希子さんの故郷である宇和島の真珠。

ひとつひとつの材料そのものにストーリーや思いがあるものや、環境や社会に貢献できるものを使うことを大切にしている。

そこにたどり着くまでには、麻希子さんの並々ならぬストーリーがある。

写真提供:Makiko Yoshida

100人に届かなくても 101人目には届くかもしれない。

愛媛県松山市に生まれ育った麻希子さん。子供の頃から自然がいつも身近にあった。外語大学に進学しベトナム語を専攻。その後、アクセサリーを扱う企業で働きながら、ジュエリーをめぐる社会的な問題を知ることになる。

採掘現場での環境破壊の問題。

命の危険と隣り合わせで安い賃金ではたらかざるをえない現地の労働の問題。

貧困家庭に生まれた子供たちが、そんな現場に駆り出されているいう現状。

常に「紛争」が絶えず、住むところさえままならない人たち。

私たちが悪気もなく「わぁ、きれい、素敵ー」となにも考えずに購入するジュエリーたちは、そんな構造の上に成り立って手元に来ているかもしれないのだ。知れば知るほど深刻な問題を孕んでいることを、一体どれだけの人が知っているのだろうか?あるいは知っていてもなにもできないからと諦めていないか?

写真提供:Makiko Yoshida

「100人に届かなくても 101人目には届くかもしれない。」

「全部できなくてもいい、できることから。少しずつでもやらないと、何も変化していかない。小さくても、大切な一歩だから。」

麻希子さんの言葉は、ご自身が生み出すジュエリーのように、とっても美しくて、心打たれる。語り合っているといつのまにか心が浄化されて、思いがけず涙がこぼれてしまうほどだった。

ハレとケがそっと溶け合うようなジュエリーを

だからこそ、麻希子さんは「ハレとケ」を限りなく融合したあり方を提案したい と語る。

ハレの日も
ケの日にも
あなたと共にあり
喜びも悲しみも
あなたとそっと溶け合うようなジュエリーを。

Makiko YOSHIDA

ハレ とは 人生において特別な日のこと。儀礼や祭事などの非日常を表す。結婚式はその最たるものだ。

ケ とは 日常のこと。ごくごく普通の日々を表す。

私たちの人生の日々は、じつは毎日が特別なのだ。そんな思いを込めた日々が積み上がってできていく人生はなんと豊かなものになるだろうか。

写真提供:Makiko Yoshida / 宇和島真珠のネックレス

子供の頃を思い起こせば、だれでもきっと毎日が新鮮で、毎日が発見で、毎日が特別な日だったのだから。

一方で、ハレの日である結婚式にも、表面的に豪華なものを用意するのではなく、二人が大切にしているものや、ふたりの人生の歴史を彩ってくれたものを身につけ、囲まれてみてはどうだろう。

それにより、他にはない、世界に一つの特別な1日になるはずだ。

写真提供:Makiko Yoshida
写真提供:Makiko Yoshida / マリッジリング

ジュエリーに込められた意味は外からは見えないけれど確実にお二人が生きるための「エネルギー」になっていく。そんな存在になってほしい。

そして、時代を超えて 形を変えながら、そこに宿る意味をさらに重ねて深みを増していく。

「循環するジュエリー」は、まさに「歴史を紡ぎ出し未来を創る」ジュエリーなのだ。

写真提供:吉田麻希子 / 取材記事執筆:野口雅子

吉田麻希子 Profile
caractere(カラクテル) – 循環するジュエリー
-1978年愛媛県松山市生まれ、大阪外国語大学ベトナム語科卒 / 8年ほど浅草橋のアクセサリー会社にて勤務し、4年ほどの休眠を経て、2013.11にカラクテルとして起業。

吉田麻希子さんのWeb Site
caractere – sustainable jewelry

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

地球と人と社会にやさしい結婚式

INDEX