現役花嫁emiriさんが本音で綴る”エシカルウェディングDIARY” 連載#02
エシカルライターとしてご活躍のemiriさんがご自身の結婚式までのリアルストーリーをエッセイとしてお寄せくださいました。全世界の悩める花嫁さんにお届けしたい連載シリーズ第二弾です!
Emiriさんより
これは、夫と犬と暮らす平凡な20代のプレ花嫁が、結婚式までの道のりを記録したエッセイです。結婚式まで残り約4か月。結婚式を終えた後じゃなく、準備期間の今だから、今しか書けないことが、きっとある。1年前のわたしが読みたかったことが、今なら書ける。そう信じて、準備中の不安や悩み、楽しさもぜんぶ、書き残していきます.
エシカルウェディングに興味のある人はもちろん、今の結婚式に疑問やもやもやを感じてる人に届くことを願って。
エシカルウェディングの情報が少ない問題
「人や自然、動物に優しいエシカルな結婚式を挙げたい」
そう思ってから最初にぶつかった壁が、エシカルウェディングの情報が少ないことだった。まわり でエシカルな結婚式を挙げた人はいないし、具体的な相談をできる人もいない。ネットやSNSで 調べても、求めていた情報は少なかった。たぶん、増えてきてはいるものの、エシカルウェディン グをする人がまだ少ないのだろう。
情報が少ない中、参考にしたものや工夫したことがいくつかあるので記録しておきたい。
「エシカルウェディング」で検索した日々
まずはInstagramで「#エシカルウェディング」と検索した。どんな情報が出てくるのか、少しワクワクしながら指先で画面をタップする。 投稿数は1000件程度とまだまだ少ない。具体的な実例が書かれた投稿も多くはなかった。
次に、ネットで調べてみた。まとめ記事のようなものは出てくるが、具体的な方法が載っているも のは少ない。ウェディング雑誌も読んでみたが、こちらも同じ。
「あれ、こんなに情報少ないの……?」 毎日「エシカルウェディング」と打ち込み検索するが、思うような情報は少なく、だんだん不安になっていった。
わたしが知りたいのは「オーガニックやフェアトレードの物を選ぶ」とか「ペーパレス化してWEB招 待状を使う」とか、そういう自分でも思いつくようなことではない。
「オーガニックやフェアトレードを選ぶならこれがおすすめ」とか「その商品にはどんなエシカルな 背景があるのか」とか「席札やプロフィールブック、メニュー表をエシカルにするアイデア」とか「動物性食材を使わない料理をどう工夫するか」というような、もっと具体的な情報が知りたいのに。
もちろん、自分で考えることも大事だと思うけれど、決めなきゃいけないことはてんこ盛り。少しで も参考になるものがあるとありがたいのだ。
Pinterestで知った海外のエシカルウェディング
そんな中、海外のエシカルウェディングに勇気づけられた。
「Pinterest(ピンタレスト)」という画像検索アプリで、何気なく英語で「ethical wedding」と入力。す ると、海外の記事や画像がたくさん出てきたのだ。
「エコフレンドリーウェディングの100のアイデア」や「廃棄物の少ない結婚式を開催するための22 のヒント」など、わたしが知りたかった実例がたくさんある。Pinterestから記事に飛び、翻訳しなが ら夢中になって記事を読んだ。
書かれているのはエシカルでユニークなアイデアばかり。例えば、ドーナツのエスコートカード や、式場内に設置されたリサイクルBOX、環境保護団体への寄付BOXなど。「海外ではこんなに エシカルウェディングが広まっているんだ!」と感動したし、仲間を見つけたような気がして、嬉し かった。
なかなか情報がなくて不安だった時は、自分勝手なコンセプトなんじゃないか、他の人は興味が ないんじゃないかと思ったりもした。だけど、遠く離れている先輩花嫁から勇気をもらって、改め て、みんなに優しいエシカルウェディングを実現しよう!と思うことができたのだ。
一度冷静になって、エシカルかどうか?を考える
情報が少ない中で、一度冷静になって考えることも大事なことの一つだと思う。
SNSやネットには、素敵なウェディングの投稿が溢れている。「素敵!」と思ったものは、「地球に 優しいかな?」「どう工夫したらエシカルになるだろう」と、一度冷静になって考えるようにした。
例えば、エスコートカード(受付に一人ずつの名前とテーブルナンバーが書かれたカードを用意 する)を最初やりたいと思ったけれど、一人ずつ紙を用意するとなると、使う資源も増えるし、ゴミ も出る。紙ではなく繰り返し使えるものにすればいいのかもしれないけれど…。よく考えてみると 「そもそも、ただおしゃれでやりたいだけだったかも……」と思い直し、エスコートカードはなしにし た。
「かわいい!素敵!」と思ったものも、一度冷静になって考えることで、思い付きのアイデアを防 ぐことができる。そしてもう一歩、頭を悩ませて考えることで、オリジナルなアイデアが生まれることもあった。
少ない情報からつくるエシカルウェディングの楽しさ
最初は情報が少なくて焦ったりもしたけれど、今は自分で考えたアイデアでエシカルウェディング を創っていく楽しさも感じている。これからは日本でも、海外のようにエシカルウェディングの情報 が増えていくといいな。そしてわたしも、その一部になれたらとても嬉しい。
>>次回へ続きます
この記事を書いた人
さいとうえみり – Emiri Saito –
エシカルライター
SDGsマガジン『ソトコト』のwebメディア『ソトコトオンライン』や、名古屋テレビ『おぎやはぎのハピキャン』のwebメディア『ハピキャン』等で執筆中。
web:https://lit.link/slowethical
instagram:@emiri_wd (ウェディング準備アカウント)